交通・環境分析 現場担当者インタビュー

データと向き合い、現場を走る。事故の少ない高速道路にするために。データと向き合い、現場を走る。事故の少ない高速道路にするために。

2017年入社 技術部 技術課

入社以来、阪神高速道路の安全対策の検討、リニューアル工事が交通に与える影響検討、路外パーキングサービスの検討、車線規制時の工事渋滞予測など、さまざまな業務を担当。現在は安全対策チームに所属し、事故の削減と防止にむけた原因調査、対策の検討、提案の業務に従事。これまで数多くの案件を手がけた。

人びとの暮らしを支える高速道路。
地域社会に貢献する仕事にひかれた。

Q. 入社の動機を教えてください。

中学生の頃から橋に興味を持つようになり、橋梁の仕事がしたいと思うようになりました。夢を実現するために、大学では土木を専攻。大学院では地盤に関する研究をしました。
阪神高速技研を知ったのは、大学院1年生の時、阪神高速グループ子会社の会社説明会に参加したのがキッカケ。橋と同じように高速道路も人びとの暮らしを支える大きな役割を担っていること、大阪や関西に貢献する仕事ができることに魅力を感じ、入社を決めました。

データを分析し、原因を突き止め、
ハード・ソフト両面から必要な対策を考える。

Q. 携わっている仕事について教えてください。

阪神高速道路で発生する事故の削減と防止にむけた安全対策を考える仕事をしています。事故が多発する区間を抽出し、さまざまなデータを集めて分析、原因を突き止め、再び事故が起きないように対策を考えるのが仕事です。
対策は、改修工事を必要とするハード面の対策から、路面表示や道路標識、情報板を活用したソフト面での対策までさまざま。いくつもある選択肢の中から、区間毎の道路、交通環境に適した対策の選定、今後の交通流の変化等を勘案したうえで、費用対効果を考慮して有効なプランを見つけ出せるかどうかがカギです。

膨大なデータから最適な答えを見つける。
知識、技術、プラスして感性も必要な仕事。

Q. この仕事の面白味は何ですか?

事故の原因を突き止めるには、膨大なデータをあらゆる角度から分析しなくてはなりません。データは、単なる数字の羅列。それを読み解くのは地道な仕事ですが、経験を積み重ねる中で専門知識や技術、感性を磨き、的確な分析ができると大きな達成感があります。
また対策を考えるのは、とても楽しい作業です。多くの資料や文献にあたり、裏付けを取りながら検討を重ね、阪神高速道路(株)の社員とも議論しながら、最適な解決策を探し出していきます。面白いアイデアや解決策を見つけたときは、仕事の醍醐味のようなものを実感します。入社から3年。最近は自分の考えた対策や方針を自信を持って提案ができるようになりました。

データばかりに頼らない。
自分の感覚を大切に。

Q. この仕事で大切なことは何ですか?

私たちの仕事は、データ分析が大きなウェイトを占めています。ただデータばかりに気を取られていると、解決策が見えてこないことがあったりします。そこで私はいつも、事故が頻発しているような区間があると、休日を利用して、自分で運転し、現地を走ってみることにしています。
自分で走ってみると、データだけでは分からなかったことが見えてくることがあります。自分は、どう感じるのか。感性を磨くことも、この仕事ではとても大事かもしれません。

業務の担当者から責任者へ。
人を動かす仕事で生まれた責任感。

Q. 成長を実感するのはどんな時ですか?

阪神高速道路では、ETCの機能を活用することで、阪神高速道路の外(路外)にある沿道の施設を阪神高速道路のパーキングエリアと同じようにご利用いただける「路外パーキング」サービスを実施しています。このサービスについて、利用状況に関するデータの集計や新規提携施設の発掘、PRなどを検討する業務で責任者を務めています。
責任者は、担当者の役割分担を決めて指示したり、進捗管理をするなど、全体をまとめ人を動かすリーダー役です。担当者だった頃に⽐べ、責任感も強くなって⾃分の成⻑を実感します。

今でも忘れない出来事

事故を40%減らした減速マークの秘密。

阪神⾼速のとある急カーブ区間で、スリップ事故が多発していました。分析の結果、原因は車両の進⼊速度が速すぎることでしたので、カーブの⼿前で速度を抑制する安全対策を検討することになりました。私たち安全対策チームが提案したのは、⾞線の中央に減速マークの路⾯表⽰を設置するというアイデア。マークの設置間隔を徐々に短くすることで、等速で⾛った時、ドライバーにスピードが出過ぎているような錯覚を起こさせ、減速を促すというものです。路面表示のサイズや設置間隔を何度もシミュレーションして設計したこともあり、設置半年後の調査では、事故が40%減少。今後も継続して調査を⾏い、結果次第では他の区間への導⼊も提案していきたいと考えています。

ページトップへ